モルタル住宅の方

モルタル住宅

モルタル住宅はサイディング住宅の普及により現在は少なくなってきましたがそれでもまだまだ存在します。
モルタル住宅の場合はまず下地のモルタル層と既存の塗膜の2層に分かれていると考えてください。
モルタルはコテ塗りされていますが防水シートにただモルタルを塗っただけでは剥落してしまいますのでラス網と呼ばれる金網を外壁に取り付けその網にモルタルをコテ塗りしていく形になります。
モルタルの厚みはおよそ2cm~3cm程度となっています。近年ではラス網の代わりにラスカットと呼ばれるモルタル下地用合板が使用されている場合もあります。
その上に新築時に吹付けやコテ塗りによる塗膜が形成されています。

新築時のモルタル住宅の塗膜

注文住宅の場合はお客様によってはこだわりの塗料を使用された方もいらっしゃるかもしれませんが、建売を初めとする一般的な例から見ると新築時の外壁の塗料は非常に安価な塗料が使用されております。
新築時に使用する塗料は見た目の化粧性と施工性を優先しており建物を売る事だけを考えていると言っても過言ではありません。

一般的には吹付けの方が作業が早く終わるため、ソフトリシン、スタッコ、吹付けタイル(ボンタイル)などの他に近年ではジョリパットやベルアートなどの意匠性の高い塗料を吹付けているケースが多いです。ジョリパットやベルアートなどをコテ塗りで施工が施されている場合もあります。

見た目を良くするために表面がザラザラしていたりゴツゴツしているのでホコリ汚れや雨だれも付着しやすく、さらに安価な塗料で塗装がされている為に塗膜が持っている防藻性能や防汚性能なども切れやすくなってしまいます。
ベランダの外側の壁は紫外線を多く受けやすく退色など進行しやすいなります。
反対に北側面は紫外線は当たらないですが逆に湿度が高い為にコケやカビなどが発生しやすくなります。

モルタル住宅の塗り替えのタイミング

コケやカビ、紫外線で傷んでしまった外壁をあまりに放置するとこの新築時の塗膜が浮いたりしてしまい剥離の原因に繋がってしまいます。
本来理想的な塗り替えのタイミングは築5年~10年で手を掛けるのが最も良いです。 新築時によほどいい加減な施工がされていなければ一回目の塗り替えを早目に塗装する事で建物の寿命は大きく伸びてきます。
ただ新築時5年で塗り替えを考えるという風習が今の日本にないという部分と塗り替え費用の捻出などが大変なので一般的には10年が一つの塗り替えサイクルの指標となっています。 15年以上放置すると今迄生きていた活膜(かつまく)が死膜(しまく)となってしまい旧塗膜の除去などが必要になってしまう事があります。

※旧塗膜が生きている状態を活膜(かつまく)といい死膜(しまく)とは旧塗膜の表面の防水性能は元より密着性能も失い死んでいる塗膜の状態の事を言います。活膜は残して塗装を行いますが死膜は除去を行わなくてはなりません。

死膜の除去には時間が掛かるのはなんとなく想像が付くと思いますが問題は全てが死膜となる訳ではないので活膜と死膜が混在した状態になるのがさらに下地処理を厄介にさせてしまいます。
ですので新築時の塗膜が活膜として生きている内に塗り替えを行う必要があるわけです。
上記の理由から新築から10年以上経過した多くのお宅は塗り替えが必要になるケースが非常に高いわけです。

外壁の塗膜の寿命は軒の長さに大きく左右される

近年の住宅は建売など密集地に住宅が建設されている為に軒天(リンクで画像)が短い為にどうしても外壁の劣化速度が速くなってしまう為にも早目に塗装を行う必要が出てきてしまうのです。
裏を返せば軒天が長く出ている住宅は紫外線や雨をほとんど受けない為に寿命が長くなるのです。

例えば90cm軒天が出てる住宅と軒天が全くない住宅では外壁の劣化速度は倍違うと言っても過言ではない程だと思います。
ですので10年経ったからと言って必ずしも塗り替えが必要な状態という事ではありません。

では築年数ではなくどのような症状が出ると塗装が必要になるのでしょう。

塗り替えの目安

・表面の塗膜が変色してしまっている。(特に日の当たる南面などから紫外線による劣化は進行していきます。)

 表面を触って白い粉が手に付いてしまう症状をチョーキング現象と呼び紫外線によって塗膜の表面の防水性能や防汚性能が切れてしまっている事を表します。

・表面の塗膜に一部剥がれや浮いている部分が出てしまっている。紫外線を多く受ける部分以外にも風呂場の窓付近など湿気が多い場所など条件の悪い場所に発生するケースが高いです。

・コケやカビ(黒ずみ)の発生が目立つようになってきた。(北面や近隣と隣接している面、ベランダ内壁や植物などがあり湿度の高い面などはコケやカビの発生が高くなってしまいます。)

・ひび割れ(クラック)が発生している。

・窓周りにひび割れや隙間が出来てしまっている。

こういった症状は立地条件や地盤、新築時の建設会社の施工品質により大きく異なってきます。
よって最終的には専門業者に診断して貰わないと正しい判断というのは難しいですがこのような状態になると何かしらの下地処理やそれに合わせた塗り替えなどが必要な可能性が高いのではないでしょうか。

ですがインターネットで「外壁塗装 相模原」「外壁塗装 町田」などと検索を掛けるだけでも様々な業者が存在し色々な情報が混在しており何を信じて良いのかが分からないといった方が多くいらっしゃると思います。

ではどういった下地処理、塗り替えを行う事が望ましいのか?
また業者によっての金額や施工の品質はどのように異なるのか?

モルタル住宅の下地処理の必要性

一般的にコケ、カビの発生やチョーキング現象程度であれば大きな下地処理というのは必要としないケースが多いです。
ですがひび割れ(クラック)や塗膜の剥がれや膨れ、浮きなどが出たり、窓周りに隙間が出来てしまった場合など普通に塗装を行うとひび割れ(クラック)の再発、新しい塗膜が旧塗膜と一緒に剥がれてしまったりと塗装後早い段階で不具合が出る事があり塗装業界がクレーム産業と呼ばれる最も大きな理由の一つと言えます。

モルタル住宅における大切な下地処理は3点に絞り込めます。
・ひび割れ(クラック)の処理
・窓周りなどの隙間の処理
・塗膜の剥離や浮きなどの処理

ひび割れ(クラック)の処理方法

外壁のひび割れ(クラック)の発生というのは雨漏りに繋がるリスクが出てきてしまいます。
ですが必ずしも雨漏りに繋がるという訳ではありませんが塗装を行う前に下地処理を行わないとひび割れ(クラック)が塗装後に再発する可能性が高くなります。

外壁のひび割れ(クラック)は0.3mm未満なのか0.3mm以上なのかというのが一つの基準となり処理方法も変わってきます。

0.3mm未満のひび割れはヘアークラック(髪の毛ほどの軽度なクラック)と位置づけされシーリング専用のプライマー(下塗り)を塗布後シーリング(コーキング)による擦り込み処理を行った後に適正な下塗り材と上塗り材を使用することで水の浸入を防ぎます。
もちろん今後ひび割れ(クラック)が地震など建物の動きによって再発するリスクもゼロではありません。
ご予算がある方や心配な部分は全て処理を行っておきたいという方は下記の下地処理を行っても良いと思います。

Uカットシール材充填工法

0.3mm以上のひび割れ(クラック)に関してはUカットシール材充填工法という処理が必要になります。
※Uカットシール材充填工法を塗装業界では何故かこのVカットと呼ぶ方もいますが正式な工法名はUカットシール材充填工法です。

このUカットシール材充填工法ですが施工を行う側としては正直面倒な作業と感じるほど大変な作業になります。

工法としては下記の図1のように既存のひび割れ(クラック)をラス網の手前まで掘り出します。
※ラス網を使用しない工法でラスカットと呼ばれるモルタル下地用合板を使用している場合もあります。

既存のモルタルの厚みにもよりますが1~2cm程度掘り出しそこにシーリング専用のプライマー(下塗り)を塗布しシーリングを充填します。
シーリング材に含まれる可塑剤(かそざい)の表面への移行も考えられるので当社ではクラック処理に使うシーリング材も可塑剤の入っていないノンブリードタイプの物を使用しています。

シーリングの充填後に樹脂モルタルをコテ塗りしていくのでシーリングは表面から少し凹むように打ちます。
シーリングの厚みは10mm程度は欲しいですが既存のモルタルの厚み(ラス網までの厚み)によっては10mm打てない場合もあるかもしれません。
サイディング住宅などの動きと比べるとそこまで大きく動くわけではないのでシーリングの厚みは5mm程度しか確保できない場合でも効果が半減するようなものではありません。
※モルタル下地用合板を使用している場合モルタルの厚みが10~15mm程度の建物も存在します。
その場合はモルタル下地用合板の手前までしか削り出しが出来ません。

樹脂モルタルが薄過ぎても今後の細かいひび割れなどに繋がり美観的に好ましくないので既存のモルタルの厚みからシールの厚みと樹脂モルタルの厚みの両方をバランスよく施工しなくてはなりません。

パターン合わせ(肌合わせ)

Uカットシール材充填工法の面倒な部分としては削り出しで出る大量のホコリとパターン合わせ(肌合わせ)になります。
完全硬化している固いモルタルをグラインダーにダイヤモンドカッターという刃を取り付け削り出すために大量の粉塵が発生します。ですので通常の外壁塗装を行う場合ですと足場を掛けた後にすぐ高圧洗浄を行いますが、Uカットシール材充填工法を行う場合は足場工事を行った後にグラインダーでひび割れ(クラック)部分の削り出しを行い、シーリング材の充填まで行った後に高圧洗浄を行わなくてはなりません。
高圧洗浄の後に、樹脂モルタルをコテ塗りしますが既存の外壁にはリシンやスタッコ、吹き付けタイルやジョリパットなど様々なパターン(模様)が付いていると思います。
モルタルをコテ塗りしただけではクラック処理を行った部分が平滑になってしまい見た目が悪くなってしまいます。
ですのでクラック補修を行った後にパターン合わせ(肌合わせ)を行わなくてはなりません。

Uカットを行う幅は1~1.5cm程度ですがリシンやスタッコなどを吹付けによるパターン合わせを行う場合は吹付け用のガンの特性上、広角に塗料を飛ばすため1~2cm程度だけにパターン付けるという事が出来ません。
ですので下記の図2のようにUカットを行った両サイドの塗膜を事前にディスクグラインダーなどで削る作業も行っておく必要があります。
機能性はもちろんですが美観的にもなるべく違和感のないように仕上げる技術も必要になります。
※特殊なパターンや上塗りの塗料によってはクラック処理の痕跡が残ってしまう場合があります。

パターン合わせを行う前に樹脂モルタルの上に専用の下塗り材を塗装し吹付けやコテ塗りなど下地に合わせたパターン合わせを行いその後から外壁の塗装となるわけです。

数本のクラックであれば1~2万円程度で済むような場合もありますが50本以上ある場合は10万円以上掛かってきてしまう事もあります。当社では御見積作成時に金額をお出ししておりますので追加費用を請求することはありませんのでご安心ください。

窓回りの隙間について

窓と外壁の間に隙間などが発生してしまった場合は必ずしも漏水に繋がる訳ではありませんが湿気を躯体の内側に入れるというのはやはり建物にとって良い状態とは言えません。
また構造によっては漏水に繋がる可能性もありますがモルタルを削り出して窓や防水シートがちゃんと納まっているのかを確認する訳にもいきませんので漏水の有無に関わらず隙間が空いている場合は処理を行う方が望ましいです。

窓周りの隙間の処理方法としてはやはりシーリング処理を行うのが一般的です。
外壁の塗装を行わない場合は変性シリコンのノンブリードタイプをお勧めしますが外壁の塗装を行う場合はポリウレタンか変性シリコンのどちらかのノンブリードタイプのシーリングを使用すると良いでしょう。
その際はそれぞれに合わせた専用のプライマー(下塗り材)を塗布しシーリングを行う必要があります。

窓周りと外壁に隙間がいくつか出ているようであれば全ての窓周りをシーリングで処理してしまう方が良いかもしれません。
この辺りは費用対効果などを考慮し事前に打ち合わせを行います。

窓の形状などを確認し湿気の逃げ道を確保した方が良いと判断した場合は窓の3方のみの打ち替えをご提案する場合もあります。
※3方とは窓の下はシーリングをせずに雨が直接当たる横側と上側の3面の事を差します。

塗膜の剥離や浮きなどの処理

塗膜の剥離や浮いてしまっている部分などがある場合はその上に塗装を行っても下地の塗膜ごと剥がれてしまうので意味がありません。
塗膜が浮いている場合というのは下地のモルタルに対して塗膜が食付いていないという場合がほとんどです。
モルタル自体が浮いてしまうというのは築年数が古くモルタルが大きくひび割れ(クラック)ているのに長年放置してしまった場合などはラス網が錆びつき欠損を起こすことがあるかもしれませんがこれは極めて稀なケースと言っても良いと思います。

多くの問題は新築時にモルタルを左官屋さんがコテ塗りし下地の形成をしたモルタル層と塗装屋さんが塗装した塗膜の食付きに問題がある場合がほとんどです。
既に浮いていたり剥がれがある場合はその他の部分の食付きも良くない可能性があります。
目で見えている浮きや剥がれ部分からヘラなどで削ると一見異常が無いように見える部分も簡単に塗膜が層になって剥がれてくる場合があります。
ですので塗膜が浮いている場合は食付きの悪い部分は出来る限り除去してしまうのが得策です。

なぜ既存の塗膜がモルタルから剥がれてしまうのか

塗膜の剥がれる原因は一概にこれだとは言い辛いのですが大きな原因の一つとしては新築時の塗装の際に使用した下塗り材に原因があると考えられます。
新築工事というのはどの業者さんもギリギリの予算の中で工事を行いますが塗装業界の新築は本当に厳しい金額で施工がされています。
用途に合っていない下塗りを塗装されたり、水で薄めた塗料を塗っていたり雨の中塗装をしている可能性もあります。
このような場合は築10年を待たずして浮きや剥がれなどが出てしまう事があります。
築年数が15年以上経っている場合はしっかりとした施工が施されていたとしても既存の塗膜の保護性能が完全に切れてしまい塗膜の内側に水が浸入し時間と共に膨れや剥がれなどが発生しても不思議ではありません。

 

施工内容と施工金額の差

上記で説明したような下地が良くない状況であればしっかりとした作業を行わなくてはならないというのが当社の考え方でありお客様としても悪い状態の部分はしっかりと処理して貰える物だと考えていると思います。
しかし塗装業者によっては工事の内容よりもまず工事を受注することを優先し価格競争に持ち込んでしまう業者も多く存在します。
塗装の寿命の半分は下地処理と下塗り選定で決まると言っても過言ではありません。
当社では価格競争を行い品質を下げるようなことはしておりません。
大手ハウスメーカーなどと比べると工事金額は安いですが訪問販売などの安さが売りの業者さんよりは高くなってしまうかもしれません。
食品などと一緒で安心の国産を選ぶのか?安い中国産を選ぶのか?お客様により価値観は様々だと思いますが当社では皆様にこれぞMADE IN JAPANと言って頂けるように今後とも努力していきたいと思います。

モルタル住宅

モルタル住宅はサイディング住宅の普及により現在は少なくなってきましたがそれでもまだまだ存在します。
モルタル住宅の場合はまず下地のモルタル層と既存の塗膜の2層に分かれていると考えてください。
モルタルはコテ塗りされていますが防水シートにただモルタルを塗っただけでは剥落してしまいますのでラス網と呼ばれる金網を外壁に取り付けその網にモルタルをコテ塗りしていく形になります。
モルタルの厚みはおよそ2cm~3cm程度となっています。近年ではラス網の代わりにラスカットと呼ばれるモルタル下地用合板が使用されている場合もあります。
その上に新築時に吹付けやコテ塗りによる塗膜が形成されています。

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